「アメフクラガエル」というカエルをご存じですか?
そのぷにぷにとした「きな粉餅」のような見た目や、独特の鳴き声で愛されるこのカエルは、実は自宅で飼育できるペットとしても人気です。
今回は、アメフクラガエルの基本的な特徴や飼育方法、値段、販売場所など、飼育初心者でも安心して始められる情報を詳しく解説します。
アメフクラガエルの特徴

飼育方法をご紹介する前に、まずはどんな生き物かを知っておきましょう。
元々水中で生活していた彼らは、陸上生活に対応できるように進化する過程で水掻きを捨て、穴に潜ることに特化したフォルムへと進化したようです。
水分を多く含むことができるぷよぷよの体は触り心地抜群。
身の危険を感じると元から丸い体をさらに膨らませ威嚇します。
そんな威嚇でビビる捕食者がいるのかはさておきなんとも愛らしい進化を遂げた蛙です。
寿命|適切な環境で10年以上も長生きするカエル
アメフクラガエルの寿命は、他のカエルと比べても長いのが特徴です。
一般的なカエルの寿命が平均5年程度であるのに対し、アメフクラガエルは飼育環境が適切であれば最長10年ほど生きることができます。
適切な環境づくり:温度・湿度の管理を徹底する
バランスの良い餌の提供:栄養不足や偏食を防ぐ
ストレスを与えない:無理に触ったり頻繁に掘り起こさない
生態|土に潜り雨の少ない環境で暮らす適応力
アメフクラガエルは、滅多に雨が降らないアフリカ南東部の乾燥地帯に生息しています。
この過酷な環境に適応するために、水分を体内に蓄える能力を進化させました。
日中:ほぼ土の中で過ごします。乾燥を防ぐため、地表には出てきません。
夜間:涼しくなると餌を求めて地上に上がってきます。
この「土に潜りっきり」という特性から、飼育者の間では「カエルを飼っているのか、土を飼っているのかわからない」という冗談がよく聞かれます。
しかし、たまに姿を見せてくれるその「レア感」こそ、アメフクラガエルの魅力のひとつです。
大きさ|小さな体に秘めた愛らしさ
アメフクラガエルの大きさは、全長約5cm。手のひらにすっぽり収まるほどの小ささで、可愛らしさが際立ちます。
オスよりもメスの方がやや大きく、繁殖期にはオスがメスの背中にしがみつく「抱接(ほうせつ)」という行動が見られます。
一般的なカエルは卵からオタマジャクシを経て成長しますが、アメフクラガエルの場合、卵の中でオタマジャクシ期を過ごし、卵から出てきた時点で既にカエルの形をしています。
このユニークな繁殖スタイルも、彼らの興味深い生態のひとつです。
鳴き声|想像以上にかわいいおもちゃの音色
アメフクラガエルの鳴き声は、おもちゃのように高くて愛らしい音色です。
特に夜間や繁殖期に鳴くことが多く、その声を聞くだけで癒されると人気です。
ネット上にはアメフクラガエルの鳴き声を録音した動画も多数アップされていますので、ぜひチェックしてみてください。想像以上にかわいい声に心をつかまれるはずです。
値段と販売場所
アメフクラガエルの値段は17,000円〜26,000円ほど(2024年1月)。
爬虫類ショップやペットショップ、爬虫類イベントなどで購入することが可能です。
基本的にはWC(ワイルドハッチ)と呼ばれる野生の個体を採取した個体が販売されており、爬虫類イベントなどでは平均以下の金額で販売されている場合も多いようです。
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アメフクラガエルの飼育方法

アメフクラガエルを健康に飼育するためには、適切な環境を整えることが重要です。このセクションでは、各飼育要因について詳しく解説しながら、おすすめのアイテムをご紹介します。これらを揃えれば、飼育初心者でも安心してスタートできます!
ケージ|25cm以上の水槽がおすすめ
アメフクラガエルは土の中で生活するため、底面積が広く適度な高さのある水槽が最適です。
一般的な爬虫類用の水槽で問題ありませんが、空気の循環を確保できる通気性も重要です。
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土 (床材)|15cmの深さで湿度を調整
アメフクラガエルは土の中に潜るため、飼育ケースには約15cmの深さの土を敷きましょう。土選びでは、化学肥料や農薬が含まれていない安全なものを使用してください。
専用の「カエル用土」や「爬虫類用土」がおすすめです。
安全性:化学肥料や農薬が含まれていないものを選ぶことが重要です。これらの成分が含まれると、カエルの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
保湿性:湿度をしっかり保てる土を選びましょう。乾燥を防ぐことで、アメフクラガエルのストレスや健康トラブルを回避できます。
市販の「カエル用土」や「爬虫類用土」は、アメフクラガエルにとって理想的な環境を作るのに適しています。
これらは化学成分を含まない安全な素材でできており、湿度管理も容易です。
園芸用の黒土でもOK
園芸用の黒土を使うこともできます。黒土を使用する際には以下のポイントをチェックしてください。
- 無肥料タイプを選ぶ:化学肥料や農薬が含まれていないものを選びましょう。
- 粒の細かいものを使用:カエルが安全に潜れるよう、柔らかい土質のものを選ぶと良いです。
床材における注意点
定期的な交換:衛生的な環境を維持するため、土は定期的に交換しましょう。排泄物や残った餌が原因で不衛生になると、病気のリスクが高まります。
湿度管理:土の湿度が重要です。乾燥しすぎないように、毎日霧吹きをして土が適度に湿った状態を保つよう心掛けましょう。
初心者の方は飼育セットがおすすめ
アメフクラガエルはペットとしても人気が高いため、専用の飼育セットが販売されています。
飼育に仏ようなものが全てセットになっており、これだけ飼っておけば飼育を始められます。
作った飼育セットは日が直接当たらない場所に置いて管理しましょう。
温度|24〜28℃を維持するためのパネルヒーター
アメフクラガエルは適切な温度が健康維持に不可欠です。
ケージの外側に設置するパネルヒーターでケージ内を加温し、温度を24〜28℃に保ちましょう。
レプタイルヒートのSサイズが最適です。
普段土の中に潜っているので、毎日夜間に霧吹きを行い土に一定の水分を含ませましょう。
乾燥しすぎてしまうと、消化不良などの原因になるので毎日欠かさず霧吹きしましょう。
湿度|毎日霧吹きをして湿度を維持
アメフクラガエルの健康管理には湿度の維持が重要です。
土が乾燥すると消化不良や体調不良の原因になるため、毎日霧吹きを行い適度な湿度を保ちましょう。
餌の種類と頻度
餌の種類
アメフクラガエルは昆虫食のカエルです。
口が小さいため、コオロギのSSサイズなどを与えている方が多いです。
SSサイズのコオロギは大手のペットショップでは販売されていまいことが多く、小型のカエルを販売している爬虫類ショップやネット通販で購入することができます。
個人的にはストックしておくのも大変なので少量を定期的にネットショップで購入することをお勧めします。
餌の頻度と与え方
消灯直前に霧吹きを行い、ケージ内に5~10匹程度の餌を撒きます。
おなかが空いていると消灯後に地上に出てきて食べてくれます。
前の餌を食べ切ったタイミングで次の餌を与えるようにしましょう。
3日に一度程度の頻度を目安に与ると良いとされていますが、個体差があるためよく観察して調整しましょう。
健康状態を確認するために土から掘り起こして、他のケースにアメフクラガエルと餌を入れ食事シーンを観察することもできますが、頻繁に行うとストレスの原因になってしまうのでたまに行う程度にしましょう。
餌のコオロギにはカルシウム剤を
カルシウムが不足してしまうと、くる病などの病の原因になってしまうので、与えるコオロギにはカルシウム剤を振りかけて与えましょう。
ポリ袋や、小さい瓶などにコオロギとカルシウム剤を加え、死なない程度に優しくフリフリすると満遍なくまぶすことが出来ます。
まとめ|アメフクラガエルはとにかくかわいい
ここまでアメフクラガエルの特徴や飼育方法をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?
あんまり動かないし、なんなら飼っているのに見かけることすら少ないレアポケモンみたいなやつですが、それを凌駕するほどの可愛さが彼らにはあります。
飼育難易度も比較的低く、省スペースで飼育できるペットフロッグ「アメフクラガエル」は初心者の方にもおすすめできるカエルと言えるでしょう。