ヘルマンリクガメはリクガメの飼育が初めての方でも飼いやすい人気の種類です。飼育環境を整えてあげれば生涯を共にできるパートナーにできるほど長生きします。
今回の記事ではヘルマンリクガメ特徴や飼育方法など、初心者の方でも安心して飼育を始められる内容になっていますので、最後までお付き合い下さい。
ヘルマンリクガメってどんな生き物?
生息地
スペイン、イタリア、フランス南部からトルコ西部にかけて地中海沿岸地域に広く生息しています。
日本より少し暖かい環境ではありますが、日本同様四季があり、冬には冬眠をして寒さを凌ぎます。
種類
ヘルマンリクガメは3種類存在していて、それぞれ少しづつ違いがあります。
ヒガシヘルマンリクガメ
ニシヘルマンリクガメ
ダルマティアヘルマンリクガメ
の3種類で、日本のペットショップや、爬虫類イベントなどで入手できるのは、ヒガシヘルマンリクガメとニシヘルマンリクガメの2種類です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ヒガシヘルマンリクガメ
ニシヘルマンリクガメに比べて一回り体が大きく、身体が黄色っぽいのが特徴です。また、湿気と寒さに強く、ニシヘルマンリクガメと比べて流通量が多くその分安価で取引されています。
ニシヘルマンリクガメ
ヒガシヘルマンリクガメに比べて一回り体が小さく、黒っぽい体が特徴です。
乾燥を好み、寒さには弱いです。
ヒガシヘルマンリクガメに比べて流通量が少なく、その分高値で取引されています。
寿命
カメだけあって、皆さんのイメージ通り長生きで、平均25年程度。
長生きな個体だと35年程生きることができます。
飼い主さんが40歳を超えたあたりから飼育を始める場合、リアルに後継人を決めておいた方がよいかもしれません。
それほどヘルマンリクガメは生涯のパートナーとなり得ます。
値段
1,5000円〜35,000円ほどで取引されています。
前述した通りニシヘルマンリクガメの方が少し高値で取引されているイメージです。
人気の種類だけあって、ペットショップなどで容易に購入出来ますが、爬虫類イベントなどに参加するとより安価で購入できる可能性が高いです。
大きさ
ヘルマンリクガメの中で一番大きいヒガシヘルマンリクガメは最大35cm(平均30cm程)、ニシヘルマンリクガメは最大20cmほどになります。
最小種のルマティアヘルマンリクガメで最大18cm平均15cmほどです。
生体の大きさによって飼育環境や、温度管理のハードルなども異なってきますので、生涯飼育できるサイズの種類を選びましょう。
成長速度
与える餌の量や種類によっても異なりますが、私が飼育していたヒガシヘルマンリクガメは購入時、甲長5cm(62g)だったのが約5年で11cmほどに成長しました。
性成熟が生後10年前後と言われているためそれ以降急激に大きくなることはないと思われますが、基本的には生涯成長すると考えましょう。
飼育環境
次に飼育環境を確認しましょう。最適な飼育環境を作ってあげることで、病気になるリスクを軽減し健康に育てることができます。
しっかりと理解して快適に過ごせるレイアウトを作ってあげましょう。
ケージ
中には放し飼いをする方もいますが、一般的にはケージ、水槽で飼育します。
ベビーの時は小さいケージで飼育して、生体の成長に合わせて大きいケージに引っ越しさせるか、最初から生涯飼育できるケージを用意するかでケージのサイズは異なりますが、今回は生涯飼育可能なケージをご紹介します。
生涯飼育に必要なケージサイズは最低でも90cm必要で、できれば120cmほどのケージを用意してあげましょう。
とは言っても、ペットショップや、通販で購入できるケージサイズは最大90cmのことが多いので、ホームセンターなどで資材を集めて、自分で作る方法もおすすめです。
大きいケージになるとその分温度管理は難しくなるし、置く場所も困る方がほとんどだと思うので90cmで飼育しても問題はありません。
またお世話のしやすさなどから考えて、全面スライドタイプの飼育ケージがおすすめです。
今回は安心して使用できる有名メーカーの飼育ゲージを2点紹介させていただきます。
ライト
ライトは爬虫類、両生類を飼育する上で重要です。
単なる照明だけではなく、ケージ内の温度を調整したり、自然界における太陽の代わりの役目もあり、なくてはならない存在です。
今回はヘルマンリクガメの飼育に必要になるであろうライトを種類別に三つ紹介します。
バスキングライト
バスキングライトはケージ内にバスキングスポットという高温部分を作るのに必要です。
変温動物である彼らは外気温によって体を温めるので、バスキングスポット(35°前後)を作ってあげることにより、ケージ内に温度の勾配ができ、体を温めたいときには自分で暖かい場所に移動できます。
バスキングスポットには熱を持ちやすい石などを置いてあげることでより効果的です。
紫外線ライト
紫外線ライトは名前の通り紫外線を照射する太陽の代わりとなるライトです。
紫外線は爬虫類や両生類にとって骨や甲羅を形成する上で欠かせない非常に重要なものです。
紫外線ライトは必要ですがやはり自然界の太陽光には遠く及びません。
そのためたまには外に出してあげて太陽光を浴びさせてあげましょう。
床材
ヘルマンリクガメには爪があるのでガラスのケージで何も敷かない状態ではうまく歩けません。
基本的にはヤシガラ、フォレストフロア、バークチップなどを用います。
それぞれメリット、デメリットがありますが今回は個人的なおすすめなヤシガラを紹介させていただきます。
ヤシガラはヤシの木の皮や実の繊維を砕いたもので、保湿性にも優れていますが、そのまま乾燥して使うこともできる便利な床材で、一番多く使われているイメージです。
他の床材にも言えることではありますが、身を守るために潜ったりする習性があるので、深めに敷いてあげることをお勧めします。
ヤシガラの床材は多くの種類がありますが価格、質共にポゴナクラブがおすすめです。
水入れ
水入れは給水するのはもちろん、少し体を浸らせるほどの大きさが理想的です。
また軽すぎるものだとすぐに倒してしまうのでおる程度の重さがあるものを選びましょう。
※ヘルマンリクガメは泳げないので深い水入れは必要ありません。
餌
大根の葉、チンゲンサイ、小松菜、水菜、つまみ菜、モロヘイヤなどのカルシウムが豊富な野菜をメインににんじんやかぼちゃ、トマトやオクラなどを副食として主食に混ぜて与えると良いでしょう。
また水分補給のイムでもリンゴ、バナナ、キウイ、みかんの果物をたまに与えてあげましょう。
農薬などがついている場合があるのでよく洗ってから与えましょう。
与える餌にはカルシウムパウダーをまぶしてあげるとより多くのカルシウムを摂取できます。
まとめ
いかがだったでしょうか?意外と揃えるものが多くはなりますが、しっかりとした飼育環境を用意してあげることができれば、長い時間を共に過ごせるパートナーなるペットです。
まったりとしたリクガメを見ていると癒されること間違いなしです。